読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

grenelle165's blog

ふと考え、感じたことをできるだけ素直に綴りたいとおもいます

パリへ、黙祷

パリでの殺戮テロは、テロの質が変化し、私たち一般市民も全面的にターゲットになりうる(むしろ、政府関係者や軍、警察などよりも丸腰の一般市民こそが狙われている)ことを改めて思い知らされました。

少人数のテロリストが一般人や難民を装って送り込まれる、または既にそこに住んでいる人間(素人)が武器や訓練などの支援を受けて、遠隔の指示、あるいは半ば「自発的」にテロを行い、それを本体(イスラム国であったり、あるいはアルカイーダであったり・・・)が後で犯行声明という形で追認し、お墨付きを与える。テロのスタイルが、プロによる周到に準備されたものから、セミプロ(あるいは武装し「モンスター化した」素人)による自爆型へ、コアかつハードなターゲットから一般市民を狙った周辺かつソフトなターゲットへ変化し、それによりさらに大きなショックを与えることを狙うようになってきていることは、既に多くの識者が指摘していることですが、いよいよ、その脅威が身近に迫ってきたことを感じます。

アメリカのバンドのコンサートに行く(しかも小~中規模くらいの割と手狭なコンサートホール)、中心街からちょっと離れた安くて美味しいエスニックレストランで食事をする、スタジアムにサッカーやラグビーの試合を見に行く、何気なく街角にカフェに入る・・・パリに住んだり、遊びに行ったりすれば(もちろん、パリでなくても世界いたるところで)、誰もが普通にするようなことばかりです。

そこには間違いなく、テロや殺戮とは無縁の、ごく普通の日常の時間が、穏やかでポジティブな空気が流れていたはず。それが一瞬にして血の海に変わる・・・言うまでもありませんが、このような暴挙は、いかなる理由があろうとも断じて許されることではありません。

仏オランド政権による対シリア政策の転換(空爆への参加)が、テロの口実となっていますが、当のイスラム国にとっても、ことはそれほど単純ではありません。第一次大戦以来ここ100年ほど、もしかすると何百年も前から連綿と続いている欧米とアラブ諸国、あるいは利害を異にする中東諸国・民族間の憎しみの連鎖。これをどのような形で断ち切れるのか、決して断ち切ることはできないのか。

既に語りつくされた視点ではありますが、やはり、我々の生活がいまだ中東の石油に依存し、中東が世界にとって石油をめぐる利権争いの場である限り、つまりは、現代の資本主義社会の大前提の一角に変化が起こらない限り、本質的には何の変化も怒らず、仮にイスラム国が崩壊しても、また新たな勢力、欧米に対する憎しみ、テロの動機自体は別の形で再生産され続けるのでしょう。我々は(石油に依存した)我々の生活を守るため、米国に「中東の安定」を委任する。米国は同盟国と強調して安定を脅かす敵の対抗勢力に資金や武器を渡す。必要であれば、正当化した上で(できない場合もありますが・・・)直接軍事行動を起こす。やがて敵は滅びるが支援した対抗勢力がモンスター化して新たな脅威となる・・・ずっとずっと、シンプルに、この構図の繰り返しです。

テロ行為そのものは、断じて肯定することはあり得ませんが、その一方で、イスラム国も、テロも、我々の住むグローバル資本主義社会(の限界)が生んだ一つの結果であり、残念ながら、我々自身の一部であること(=無縁ではないこと)は少なくとも認めなければなりません。

とはいえ、なによりもまずは、テロの犠牲者に心からの哀悼をささげるとともに、まだ生死の境をさまよっている方々、心身ともに傷ついた方々の一刻も早い回復を祈ります。そして、多くの友人が住む花の都が、一日も早く、明るく穏やかな日々を取り戻すことを願ってやみません。

f:id:grenelle165:20151115231438j:plain

 

★第一報、分かりやすくまとまっています。

パリで大規模なテロ事件、「イスラム国」が犯行声明 | KSM News & Research

 

★2年ほど前の英FTの記事の翻訳。ものすごい炯眼。こういう記事を読むたびに、もっと英語も仏語もうまくなって外国の報道をどんどん読んで聞けるようになりたいと思います。[FT]シリア攻撃支持で恐るべきリスクを取るフランス :日本経済新聞

 

★11月12日にはレバノンのベイルートでも大規模なテロがあったようですね(下記ホームページで知りました)。こういう、報道のバランスというのはとても大事と思います。

ベイルートとパリでのテロ攻撃について | 東京ジャーミイ・トルコ文化センター