grenelle165's blog

ふと考え、感じたことをできるだけ素直に綴りたいとおもいます

人質事件:二人の勇気をたたえ、志を語り伝えよう

日本人人質事件は本当に辛い結末となってしまいました。

ここではISILへの憤りはあえて語らず、後藤さん、湯川さんの人生と生前の素晴らしい仕事ぶりに心から敬意を表し、拘束後の過酷な状況を必死に生き抜いた二人の勇気をたたえたいと思います。二人の生き様と仕事ぶりを語り継ぐことこそ、最大の「供養」になると思いますし、ひいては、常に凄惨な脅迫行為によって物事を動かそうとするISILの意図を挫くことになるはずです。負の連鎖を断ち切るには、相手の挑発に乗らない、シナリオにはまらないことが本当に大事です。

ISILは今後、日本と日本人を標的にすると言いましたが、今回の事件は、一義的には、自らの影響力を誇示することと、安倍首相の中東訪問を機に、ISILが有志連合国間の関係に楔を打ち込むことを狙って起こしたもので、今回の事件をもって、日本と日本人が彼らにとって優先的なターゲットになったとはあまり思えません(ただし、ISILに影響された各地の過激派が無差別に海外の日本人に危害を加える、過激派がISILの「傘下」に入って本家を模倣しさらに過激化する、といった波及的なリスクが高まっていると思いますので、十分注意が必要でしょう)。

我々がISILの脅しに屈し、態度を変えるようなことがあれば、それこそ彼らの思うツボです。政府としても、引き続き「屈しない」態度を徹頭徹尾、貫くことが何より大切と思います。

ただ、1/28に書いたことの繰り返しになりますが、然るべきタイミングで、今回の政府の対応については徹底的に検証すべきでしょう。二人がISILに拘束されているという情報を得ながら、安倍首相が中東歴訪で「テロとの戦い」を表明した意図は何だったのか?ISILが二人に危害を加える可能性を加味していなかったのか?ISILに対して何の影響力も持たない、つまり、問題解決能力を持たない日本が、自らをISIL問題に巻き込むことにどのような意義があったのか?覚悟はあったのか?立場的にも地理的にも微妙な位置にあるヨルダンを頼り、交渉の結果次第ではヨルダンを窮地に追い込み、地域の不安定化を招くリスクをどう考えていたのか?交渉過程における米国や欧州、トルコ等との関係は?知りたいことは山ほどあります。

私としては、二人の拘束を把握しており、かつ、当事者能力を持たないのであれば、相手に口実を与える「テロとの戦い」という発言は控えるべきではなかったかと強く思います。映像が出て、事態が急転してから「人道支援」という点を強調しても遅いのです。仮に当初の表現を和らげていたとしても、中東歴訪を機にISILが何かしらの行動に出た可能性は高いとは思いますが、ISILが二人の画像を流してから慌てるくらいであれば、あえて強いメッセージは出さず、彼らに人質を害する口実を与えないという選択肢もあったのではないでしょうか。

今は、日本政府の対応を批判するタイミングではないとは思いますが、最悪の事態を目の当たりにして、もっともっと適切な対応がなかったのかというのが偽らざる心境です。

(考えたくはないですが、情報を得た当初から二人を「見殺しにしてやむなし」という判断があったのであれば、政府の対応のまずさや、随所に浮き彫りになった「中途半端さ」はすべてつじつまが合ってしまうのですが・・・)